貯蓄から投資へ、そんな呼びかけが何年か前からありました。
個人投資家も徐々に増加傾向にはありますが、「投資=元本割れのリスクがある」の考えから元本保証の貯金のみという方も多いのも現状です。
この記事では貯金だけでは得られない、投資を行うことで得られるメリットをご紹介します。
貯金だけではだめなのか?

投資を行う前段階として、「なぜ投資をする必要があるの?」「貯金だけではだめなの?」という疑問を持たれる方も多いと思います。
もちろん、貯金だけではいけないと断言はできません。
銀行に預けることで、元本部分は保証がされますので、100万円は100万円として自分の資産になります。
ただ、そこで注意していただきたいのが、現在の100万円が10年後も同じ100万円とは限らないということです。
少し表現を変えると、現在100万円で買えるものが10年後も100万円で買えるとは限らないということです。
なぜこの点に注意していただきたいかというと、お金の額面は変わらなくてもモノ、商品の価格(物価)は変動するからです。
そのため、物価と連動しやすい性質を持つ株式などへの投資が有効になるのです。(物価と株価の関係性は、突き詰めると複雑なためこの記事では触れません)
リスクとは?

投資を行うメリットを紹介する前に、リスクについて説明します。
多くの日本人にとってリスクというと、危険、怖い、避けるべきものというネガティブな印象が付きまとう言葉になってしまっています。
しかし、リスクの本質的な意味は不確定です。
投資を行った際に利益をあげるのか、損失を出すかは分かりません。
リスクが高いというのは、利益か損失かを問わず変動する幅が大きいことを指します。
- 100万円が1年後105万円になる
- 100万円が1年後99万円になる
一見、マイナスになっている2のほうがリスクが高いと考えがちだが、リスクが高いのは1
これがリスクであり、多くの人がイメージする、「元本毀損、損失」が出ることを意味するわけではない点にご注意ください。
投資を行うメリットとは?

それではここから、投資を行うメリットについて紹介します。
投資を行うメリットは主に2つあります。
1つ目は「上手くいけば資産が増える」です。
投資を始めてみようかと考えるときに、真っ先にこの点を思い浮かべる方も多いと思います。
株式投資を例にしてみましょう。
まず長期的に保有することで配当金をもらえる可能性があります。
加えて株式購入時からしばらくして、株価が上昇したタイミングで売却すればその差額分の利益がプラスの資産となります。
また、株式投資においては株主優待を行っている企業もあります。
図書カードやクオカードを優待対象としている企業もあれば、飲食チェーンを展開する企業ならチェーン店で使える回数券や割引券を対象としていることもあります。
頻繁に利用するチェーン店の優待券であれば、家計の心強い味方となってくれますね。
資産が増えることをメリットと考えるのも良いのですが、これから投資を始めるという方には2つ目のメリットに是非注目していただきたいです。
それは「金融経済、社会情勢に敏感になれる」です。
普段テレビやネットで

日経平均株価(東京証券取引所プライム市場上場銘柄から選定した225銘柄)は続落しています

ダウ平均株価(ニューヨーク証券取引所やナスダックに上場している米国企業の普通株式など30銘柄)は乱高下を繰り返し、先行きは不透明です
といったニュースを見て「やっぱり株式投資や株式に投資する投資信託は、不安だな」とネガティブな印象を抱いてしまっていませんか?
実際に投資を行うプレイヤーになると、自分が持つ金融資産に関連する情報を確認したり、金融機関から送られてくる資料で現在のマーケット市況を確認できます。
様々な情報に触れるうちに「今は日経平均株価が続落しているけど、自分が持っている投資信託は外国株式中心だから影響がすくないのかな」「ダウ平均株価も日経平均株価も安定していないけど、そこに属さない銘柄は好調そうだ」と理解が深まります。
また、私生活においても金融情勢や企業の動向を知っていることは役に立ちます。
特に社会人で他の会社の社員と会話をする機会が多い方にとっては、ビジネストークにおいて大きなメリットと言えるでしょう。
初めの一歩は謙虚に慎重に

ここまで記事を読んでいただいて、投資に興味を持った方もいるかもしれません。
そこで注意点を1つ。
ネットで「私はこれで億り人になりました!」「1年間で資産倍増!」という記事が散見されますが、そういった方々はごく一部に限られるということに気を付けてください。
確かに特定の条件が揃った時に資産が大幅に増加するケースはあります。
また、投資を数十年に渡って経験している、元々証券会社に勤めていたのでノウハウが分かっているという方もいます。
しかし、投資をこれから初めてみようという方はそういった記事をみて投資を分かったつもりになって、いきなり投資をすることはおすすめできません。
「自分は投資をよく分かっていない」と謙虚な気持ちを持ち、投資に関する書籍を読んで勉強する、金融機関の社員に商品の説明をしてもらう。
まずはそこから始めてみることをおすすめします。
まとめ

この記事では「なぜ貯金だけではダメなのか」と「投資を行うことで得られるメリット」について説明してきました。
お金の価値は変わること、資産の増加が見込める・金融経済、社会情勢に敏感になれるという2点がポイントです。
この記事が投資を始めてみようかどうか、悩んでいる方の一助になれば幸いです。
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